肺がんの父をもっていた管理人です。がん発覚から死にいたるまでを書きました(2008年2月1日死亡)。また脳梗塞の母のことも少し書いていましたが、2008年9月2日、母に大きな変化がありました。そして、2009年6月25日亡くなりました。簡単ですが、その間のことも書きました。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
今日は、国立病院機構名古屋医療センターの坂(さか)英雄先生にセカンドオピニオンを聞きに行った。
セカンドオピニオンで最も聞きたかったことは、これ以上治療する方法は本当にないのか、座して死を待つしかもうないのかということだった。結果は、残念ながらその通りだった。
(と思ってしまったのですが、私が誤解していました。私は積極的な治療と緩和治療を同次元のものとしてとらえることができませんでした。積極的な治療はもうしない方がいい=死を待つ、と考えてしまいました。その上で、死を待つ間に苦しみを柔らげるのが、緩和治療だと思っていました。坂先生がこの記事を読んでメールでくださったコメントをそのまま書きます。
「がんと正面切って闘うという積極的な治療が、却って患者さんに不利益をもたらす可能性が高い場合、患者さんの症状を軽減することを目標にする、「緩和医療」という治療法を今まで以上に前面に押し出すことが大切であると申し上げたかったのです。治療法が無くなったのではなく、 緩和治療という立派な治療法に治療の主軸を移してはどうかという提案をさせていただいたという気持ちです。」)
1つだけ新薬があると言われた。タルセバ、2007年10月に認可されたばかりの薬だ。(参考URL1参考URL2)ただ、まだ投与例が少なく、効くかどうかはわからない。現在の体力の無い状態では、逆に命を縮める可能性の方が高いかもしれないと言われた。また、イレッサと同じく、今まで喫煙したことのない人に有効であろうとも言われている。それならリスクを負ってまで投与はしない方がいい。腺癌の人にはいいようだ。これでイレッサが効かなくなっても、次の薬があるということだ。でももっと投与例が増えないとはっきりしたことは言えないようだ。

今まで父が受けた治療法は、間違ってはいないと言われた。まず、効力の高い、白金製剤をベースとした抗がん剤を投与し、合わせて一番一般的な放射線治療、リニアックを平行して行った。ずいぶん時間がたってから再発してきたので、以前によく効いた白金製剤をベースとした抗がん剤を再度投与した。それが効かなかったので、白金製剤をベースとしない抗癌剤に変えた。(ただ、再発に関しては標準的な治療ではないそうだ。一次治療で白金製剤の抗がん剤が使われている場合の再発では、Ⅳ期の非小細胞肺がんに準じて行われるので、ドセタキセル、イレッサ、タルセバの単剤の治療ということになるそうだ。)
もちろん、抗癌剤は投与したもの以外にも何十種類もあるが、いろいろ変えて試すことができるのは、患者の体力があるときだけ。父のように、歩行までも困難になったり認知症が出たりしている場合にはこれ以上他の抗癌剤を投与できない。以前に主治医からも聞いていたことだ。

父が11月初めから急激に衰えたのは、年齢が関係しているようだ。確かに79才では、病気が出なくても、体力が衰えてきて歩くのが遅くなったり、忘れっぽくなったりするのは普通だ。その上に癌を持っていては、さまざまな症状が起きてもおかしくはない。癌の大きさ自体は以前と比べて変化はなくても、体力の衰えに乗じて、癌が悪さをしていっているようだ。父の中の癌と闘う力と、悪さをしようとする癌の力とが押し合っていたのが、父の力が弱ってきたために、癌の力を押しとどめることができなくなったのだ。例えば、川の堤防がちょっと水が漏れ始めると、一気に決壊してしまうのと同じだ。

セカンドオピニオンを聞く時には、病状やそれまでの治療の経過を記載した主治医からの紹介状と、CT、レントゲン写真などの画像データを持っていく。2007年8月23日のCT画像を見て、この時点で心臓のそばに水も溜まっている、と言われた。その頃はリンパ節から食道へと癌が浸潤していることがわかった頃だ。そういえば、その頃から父の体調は悪かった。「えらい、えらい(疲れる、辛い、苦しいなどを表す名古屋地方の方言)」と常に言っていた。そうか、その頃から徐々に癌の力が父の力を上回り始めたのだ。川の水がどんどん増水し始めたのだ。そして、11月初めからチョロチョロと水が漏れ始めて、11月21日(血痰が止まらなくなって救急車を呼んだ日)、とうとう決壊したのだ。血痰は、気管支に癌が直接顔を出してきたことが原因になっているのではと推測されるそうだ。血痰がかなり出たということは、癌細胞の力が相当強くなったと言えるようだ。

話を聞きながら、少しずつ自分の中で納得していった。確かに主治医とほとんど同じことを言われたにすぎないと言えばすぎない。でも、第3者の医師によって、それも肺がん治療の専門家として有名な先生によって、これまでの治療が特に間違いではなかったことがわかったことはよかった。父は確かな治療を受けることができたのだ。それまでは、ひょっとして別の方法があったのでは?別の病院の方がよかったのでは?という疑問もあった。それが払拭された。

これからは、本人の苦しみをできるだけとってあげることだけを考えた方がいいと言われた。(セカンドオピニオンで、2番目に聞きたかったことは、このこと、つまり「しゃっくり」のことだ。)今の父の体調の悪さには、しゃっくりを抑えるための薬の副作用ももちろんあると言われた。「リボトリール」と言ったら、かなり強い薬だと言われた。やはりそうか。服用できる限度まで服用しているから、副作用の体のふらつきや脱力感があるのだ。しかもしゃっくりの薬は「リボトリール」だけではない。名前はそのとき忘れていたが(1つはリオレサールだった)、他の種類の薬も服用している。でもそうしないとしゃっくりが出っぱなしになる。そうしていてさえ、激しく咳き込んで痰を吐くのが収まっているときは、しゃっくりが出ている。(激しく咳き込んで痰を吐くときは、のどが舌を引っ張ったと同じような状態になるので一時的にしゃっくりが止まるのだ。つまりそれほど激しく咳き込んでいるのだ。) しゃっくりにしろ、咳き込みしろ、あまりにも苦しいので、なんとかなる方法はありませんかと聞いたら、しゃっくりが出る原因が、腫瘍の位置が悪くて横隔膜の神経を引っかけているのなら、難しいと言われた。そして、しゃっくりや咳を緩和するためには、本人をボーっとさせる方法もあると言われた。そうすれば、人から見たら苦しそうでも、本人はそれほど苦しいと感じないそうだ。最近ボーっとしているのは、もしかしたら、もうその薬を服用しているのかもしれないと、ふと思った。それならそれでいい。本人さえ苦しんでいなければ。麻薬を使うこともできると言われた。そうか、そんな方法があるのだ。よかった。とにかく方法があるとわかって、ちょっとほっとした。また痰の量がとても多いことも言ったら、痰については、吐き出す力がなくなったら、のどに小さな穴を開ける方法もあると言われた。そんな方法もあるのだ。

今後の事も話が出た。緩和ケア病棟の外来予約をしたことを話した。外来へ行ってから実際に病室が空くまでには1~2ケ月かかる。その間、自宅で介護するつもりであり、そのために要介護申請したことを話した。在宅診療、在宅看護、在宅介護などフルに利用しても、かなりのマンパワーがいると言われた。私が1人で、この父と、要介護2の状態の母を面倒みると言ったら、それはたいへんだとなった。でも、本人のためには少しでも家で過ごさせてやった方がいいとも言われた。難しいところだ。これについては、もう少し考えよう。

「よくわかる肺がん」[西日本胸部腫瘍臨床研究機構(WJTOG)発行]というハンドブックを坂先生から、いただいた。今年3月に発行されたものだ。坂先生も執筆者のお1人だ。肺がんに関する様々なことが、わかりやすく書いてある。とてもいい資料だ。癌を宣告されてすぐにこんな資料にめぐり合っていたらよかったと思う。ネットでもかなりの情報を得られるが、やはり1冊の本になっているほうがわかりやすい。
ちなみに、私はネットでは、このハンドブックにもURLがあるが、がん情報サービスを一番よく利用している。

セカンドオピニオンでは、聞きたい事は聞けた。聞きに行ってよかった。やることはやったと自分に言い聞かせることができた。

ただ、セカンドオピニオンを聞く時期としては、この末期よりも、もっと早い時期の方がいいと思う。癌が発覚して、病院を決めて、治療方法が決まったとき、つまり治療を始める前がいいと思う。なぜならば、癌の治療と言うのは、患者にとてもダメージを与えるので、本当にこの治療でいいのかを十分に検討に検討を重ねた方がいいと思うからだ。治療を始める前ならば、まったく別の治療に変更することもできる。治療は始まってしまったら、もう後へは戻れない。このブログを読んだ人で、まだ治療を始める前の人だったら、是非、安易に「それでいいです」と言わずに、「セカンドオピニオンを聞きたいです」と言ってほしい。




トップページへ
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/12/05(水) 18:11 | | #[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://edi2006.blog80.fc2.com/tb.php/62-2ab3e5fa
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
-->
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。